要件を確認しよう

 利用運送事業は運送業の可能性を拡げることのできる非常に便利なシステムです。
 しかしながら、誰もができるわけではありません。
 登録申請・許可申請をするためには以下のような要件が必要です。

 1.財産的要件

 当然ではありますが、運送業を営む以上元手がなければ話になりません。
 財産的要件として、純資産が300万円以上あることが必須となります。
 ここで注意しなければならないのは、「資本ではなく、純資産」という点です。
 資本金が300万円以上あったとしても、業績不振などで純資産が目減りして300万円を割り込んでいる場合は要件に該当しないため、申請できません。

 2.物的要件

 運送業を営む際に重要なのが営業所です。
 この営業所が適切なものであることがまずは大事な要件になります。
 具体的には、
・使用権限があること
・都市計画法、農地法、建築基準法に抵触しないこと
・十分な規模を有すること

 などが挙げられます。
 また、保管施設の状況についても同じことを確認する必要があります。
 ただし、保管施設に関しては盗難対策についても確認する点があることには注意が必要です。

 3.人的要件

 最後に人的要件ですが、利用運送事業にも「欠格(資格なしという意味)事由」が存在しており、これに該当する方は申請をすることができません。
 具体的には、
・1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられて、その刑が終わってから2年を経過していない
・かつて利用運送の登録・許可の取り消しを受けてから2年が経過していない
・過去2年以内に利用運送に関して不正な行為をはたらいた
・上記3点に該当する者が役員に名を連ねている法人
 が当てはまります。

 また、利用運送許可は原則日本人しか取得できません。
 ただし、外航海運と国際航空に関しては相互主義を結んでいる国の国籍を持つ人であれば例外的に取得できます。

 これらの要件を満たしていれば、利用運送事業申請のスタートラインに立つことができます。