保証の落とし穴

 中古車に限らず、新車も含めて存在する保証制度。
 メーカー系ディーラーなら、有料にはなるもののかなり長い期間つけることもできます。
 ですが、いくら有料オプションでロング保証を付帯しても実際には保証にならないケースもあり、トラブルになることもあります。

 トラブルのひとつに「水漏れ」があります。
 ドアサッシのゴムやドア内部の水を逃がすゴムが劣化していて、そこから室内に水が入り込んでしまうものです。
 事前に分かっていれば修理するのですが、いかんせんゴムの劣化など簡単に判断できません。
 ましてやドア内部など誰が確認できましょうか。
 ほとんどの保証書の内容には除外品として「ゴム・パッキン類」の文字が記載されており、あくまでゴム類は「消耗品」として扱われるので保証対象にはなりません。
 しかし、お客様としては安くはない買い物をしたにもかかわらず、1年経たずに車が水浸しで修理にはお金がかかる…なんて事態になれば当然というレベルで怒ります。

 保証というものは実はメーカーなどの製造者が直接お金を負担するシステムではなく、メーカーが契約した保険会社が修理費を工場に払うというものが多いのです。
 そのため、メーカーというよりは保険会社が「YES」と言わなければ保証修理扱いにならないという仕組みになっています。 
 保険会社は直接お客様と対峙しているわけではないので、いくらでも厳しくできますからね。

 とはいえ、それでメーカーやディーラーが突っぱねてしまったら大きなクレームになることもあり、さらに傷口を広げることになりかねません。
 そんなわけで、「自腹」を切ることになるわけです。

 ゴネ得を呼ぶような流れではありますが、現在の「消費者過保護」の世界ではどうしようもないのです。
 もちろん、過度のクレームは一度成功しても「ブラックリスト」扱いされてどこの工場からも相手にされなくなりますが。

 保証には過度の期待はせず、「機械ものには完全なものはない」と割り切って考えることも肝要です。
 ディーラーとはいい関係を継続するためにも、妥協する点と要求する点を見極めましょう。