エコカーについて

 現在、自動車の主流となっているエコカー。
 ですが、「エコカー」といっても全てが同じものではありません。
 税金関係にも影響するエコカーについて、少しご説明します。
 これもまた、車選びの参考にしていただければ幸いです。

1.そもそもエコカーって何?

 平成11年に平成12年排出規制が制定され、従来の排ガス規制が一新されました。
 その基準をどれだけ満たしているかということで、3段階に分けられたのが始まりです。
 当時は取得税、自動車税の減税が受けられたこともあり、代替を促進するきっかけにもなりました。
 その後、平成17年規制が新しい基準として誕生し、現在はこれを基準にしてエコカーの判断が行われています。

2.優遇措置

 基本的には自動車取得税と、数年間の自動車税、自動車重量税が優遇されます。
 車種によっては免税になるものもあります。
 なお、金額に関しては毎年のように変わるので取得税・重量税の基準は国土交通省のページをチェックしましょう。
 平成24~25年度はこちらに掲載されています。
 なお、中古車の場合は免税という形にはならず、減税にとどまります。
 これは基本的に、取得税は「当年落ち」という形で下がっているからです。

3.ハイブリッド車

 トヨタが平成9年に初のハイブリッド車「プリウス」を発売しました。
 低速時は電動モーター、速度が乗ってからは通常のガソリンエンジンを使用することで、燃料を最も消費する「ストップ&ゴー」でのロスを大きく抑えるという画期的なものでした。
 「電動モーター+ガソリンエンジン」のハイブリッドシステムは通常のガソリンエンジンでは実現できない燃費を実現し、燃費が大きなウェイトを占める日本のエコカー制度では最高の評価が与えられることになります。
 しかし、当時は車格の割に高額だったことと、モーターを駆動させるバッテリーの耐久性に疑問が持たれたこともあって、大ヒットというレベルには達しませんでした。
 その後、平成15年に発売された2代目プリウスは欠点をカバーする形で大ヒットとなり、現在のハイブリッドカー全盛期の火付け役となりました。
 今では多くのメーカーがハイブリッドを発売し、多くの車種はエコカー制度では高い評価を得ています。
 また、家庭用電源で充電が可能なプラグインハイブリッド車は「免税」扱いになっています。

 中古車でもかなりの数が流通しており、値段もお手頃なものが揃っています。
 注意点としてはやはりバッテリーです。
 ハイブリッド車は電気を大きく消費するので、バッテリーが多く内蔵されています。
 バッテリーですから、蓄電と放電を繰り返せば徐々に出力は落ちてきます。
 いくら高性能のバッテリーとて、その運命からは逃れられません。
 なので、初度登録から10年近いもの、走行距離が10万kmを超えたものは状況を見た方がいいでしょう。
 もちろん、必ずしも劣化しているわけではありませんが。

4.電気自動車

 ハイブリッドカーと違い、完全に電動モーターで動く自動車です。
 排気ガスを一切出さないため、エコカーとしての評価は高く、ほとんどの税金が1年目は免除されます。
 家庭用の電源でも充電が可能なものもあり、次世代の自動車として注目を集めています。
 ガソリン車に比べると航行距離が少なく、また充電ポイントがまだまだ限られていることが短所ですが、徐々にこれも改善されていくとみられています。
 現在はリーフ(日産)、アイミーブ(三菱)などが代表的な車種として挙げられます。
 中古車としての流通量はまだまだといったところで、減税部分を考えてみると新車を購入した方が得な場合もあるので、検討の際は注意が必要です。

5.クリーンディーゼル車

 かつては商用車などに多く使われ、マフラーから黒い煙を吐いて走る…。
 これはディーゼル車のイメージでした。
 ですが、ディーゼル車はガソリン車に比べると燃費も良く、エンジンの耐久性にも長けるという長所も存在します。
 実際、ヨーロッパでは多くの自動車がディーゼルエンジンを搭載しています。

 そこでディーゼル車の長所を生かしつつ、NOx・PM法の規制に適合するように開発されたのが「クリーンディーゼルエンジン」というもの。
 従来に比べて汚染物質が出ず、燃費もいいので、こちらもエコカー認定されており、こちらも1年目の税金が免除(平成21年度基準適合)されます。
 現在の規制に適合した車種は商用車がメインですが、乗用車としてもエクストレイル(日産)やCX-5(マツダ)などがあります。

 こちらも中古車としては数が少ないので注意が必要です。

6.天然ガス車

 その名の通り、圧縮天然ガスを使用して走ります。
 排気ガスの有毒成分が少ない上に、二酸化炭素の排出が少ないことからこちらも「免税」(平成21年度NOx基準10%以上低減)のエコカー認定を受けています。
 課題はガスの共有設備の少なさです。
 事業用やタクシーなどに多く使われており、実際に乗用として使用される機会は少なめ。
 中古車の流通量も極めて少ないです。

 ちなみに、普通のガソリン車でも「エコカー認定」されているものも多くあります。
 データを確認しつつ、節税できるかも見極めましょう。