希少性

　生産中止になってしまった車でも入手できる可能性があるのが中古車。
　誰の手に渡っていないものでなくても、どうしても手に入れたい。
　車好きであれば、そういった願望は持つことでしょう。

　こういった希少性がポイントになるのは、「スポーツカー」や「限定記念モデル」によく見られます。
　しかしながら、それゆえに注意しなければならないこともあります。

　これは特にスポーツカーに言えることですが、それなりに乗られている可能性が高いものが多いです。
　走行距離が10万キロオーバーというものもザラです。
　「程度」の項でもお話ししましたが、それでもしっかりとメンテナンスされていれば十分なパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
　少なくとも、メンテナンスの状態と電装は確認しておきましょう。
　試乗は必須です。
　また外装についても、無傷というのはまずあり得ません。
　多少の板金跡や、ドア・フェンダー交換、内装の小傷などはあるものとして割り切ることが大事です。

　こういった希少車は相場が落ちないことがひとつの特徴でもあります。
　１．で程度の話をしましたが、程度がそれほどよくないものであってもそれなりの価格になっています。
　しかし、中には投資目的で希少車を購入する業者などもあり、乗らずにガレージ保管して数年経たせるという形で値上がりを待つのです。
　動かしていないので、走行距離は10キロくらいのまま、ガレージ保管なので傷も汚れもない…というような、「年落ち新古車みたい」なものができあがってしまうのです。（油脂類やタイヤは劣化している可能性高いですが）
　すると、もとの相場が高いので走行距離や程度で価格が高騰し、気付いたら「新車価格よりも高くなってしまった」なんてケースもままあります。
　たまに中古車情報誌に「ASK（応相談）」と書いてあるものを見たこともあるかと思いますが、まさにこれです。
　この車、乗ってないので乗る時にメンテが必要になるので注意が必要です。
　「ASK」の文字を見つけたら、「新車価格よりも高くなっている」と思いましょう。

　これは限定記念モデルによくある話です。
　特別装備をお目当てに買ったのに、その装備が外れてしまっていたり、壊れていたり…ではせっかくの楽しみが台無しです。
　限定車を探す以上は装備品のチェックはしっかりとしているとは思いますが、作動の確認もしましょう。

　希少車を探す場合は、必要以上にハードルを上げがちです。
　妥協点を見極めて、慎重に選んでいきましょう。