交渉のポイント

 見積もりまで整ったところで交渉開始です。
 自分の希望を盛り込みながら、まずは数字をじっくりと見ましょう。

1.競合があれば先に伝えておこう

 候補の車を1台しか決めてなければ一気に仕掛けてもいいのですが、売約になる可能性を考えれば2~3台は検討しておくのが普通です。
 対抗になる候補があれば、交渉段階で先に伝えておきましょう。
 お店の本気度が変わることがあります。

2.諸費用のカットについて

 前項でご説明した諸費用ですが、車庫証明代行費用と納車費用は申し出れば比較的簡単にカットができます。
 これだけで平均2万円前後は削減できます。
 しかし、カットする以上はご自分でしっかりとやらないと納車の段取りに支障が出ます。
 特に車庫証明は二度警察に足を運ばなくてはならず、平日の8時半~17時までしか受け付けてくれません。
 出しに行く時間が取れると判断した場合なら、削ってもいいでしょう。
 納車費用も同じで、取りに行けるレベルなら取りに行った方がお得です。

 ちなみに行政書士に車庫証明を依頼する方法で少し安くする方法もあります。(通常はディーラーさんよりも安めです)

3.支払方法について

 現金で購入する場合は問題ありませんが、クレジットで購入する場合は「頭金をいくら入れて、月にいくら払えばいいのか」を確認しておきましょう。
 ほぼ必ずといっていほど、お店は支払い方法を訊いてきますので、販社クレジットを使うのならその段階で伝えておきましょう。
 ちなみに利率は一見高く見えますが、実質年利といって「最初の金額に利率をかけるというパターン(アドオン方式と言います)ではなく、残額に利率をかけていく(徐々に利息が減っていく)パターン」なので、利息はアドオン方式の半額くらいと考えてもらえばいいと思います。(実質年率10%≒アドオン利率5%)
 なので、ボーナス併用にすると月々の支払いが大幅に楽になる仕様になっています。

4.値引きを取るか?サービスを取るか?

 中古車の相場は常に動いているので利益の幅はそれぞれの車で違います。
 Aという車は5万までなら引けるけど、Bは3万しか引けない…といった具合です。
 これはさすがに教えてはくれないので、あとはオプションなどのサービスを乗せていればこっちを引き合いに出してみるのも手です。
 ただし、「これしかない」という場合以外は突っ込み過ぎずにある程度の条件を確認した段階で席を立つことも考えましょう。

5.断り文句の使い方

 席を一度立つ際は断り文句を複数用意しておきましょう。
 対抗候補の「場所・車種・価格」は最低限覚えておいて言えるようにしておきます。
 また、家族で使う場合は敢えて他の家族に対立候補推しを演じてもらうのもひとつの手です。
 ポイントは「期限を決めて、成否にかかわらず返事を必ずすること」です。
 「商談が入っている」と言われてしまった場合、傾いていない限りは割り切るだけの気持ちも必要です。
 なお、単身で乗り込んで家族の承諾が必要な場合ははっきりと「家で話しあう時間が必要です」と伝えましょう。

6.断りの連絡は必ず入れよう

 他の候補に決まった場合は、必ず断りの連絡をお店に入れましょう。
 そうしないと、何度も電話がかかってきたり訪問をかけられることもあり、お互いにいい気分で終われません。
 ほとんどのお店はきちんと断りを入れれば、これ以上の接触はありません。
 「次回がありましたら、またご用命ください」で済みます。
 最後の処理を間違えないようにしましょう。

7.成約後交渉は絶対にやめよう

 これは商談が終わって契約書まで交わした後の話になりますが、それからまたネットなどを検索して購入した車よりも安いものなどを探し出し、キャンセルを盾にさらなる条件を引き出そうとすることをいいます。
 これは絶対にやめましょう。
 場合によっては情報がディーラー中に回って、今後その販社では交渉ができなくなったり、条件を引き出せたとしてもお店との関係が悪化してお互いに気分の悪いまま納車を迎えることになります。

 「いいものを安く買いたい」というのは誰もが思うことではありますが、あくまでこれは検討中だからこそ許されるもの。
 後出しジャンケンのようなことは信頼関係を破壊するのでやってはいけません。

 車を買う以上、車はもちろんお店とも長い付き合いになります。
 今だけでなくこれからも考えて交渉を行いましょう。