等級と料率
自動車保険では保険料を決める重要な要素として、等級と料率があります。
ここではそれについてお話しします。
等級
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保険における等級は全部で20段階に分かれています。(一部異なるところもあります)
通常は新規で加入すると6等級からスタートして、徐々に上がっていくことになります。
基本的に無事故で1年間通すと、翌年の更新時に等級が1つ上がります。
逆に保険事故を起こしてしまうと、「1回につき」等級が3つ下がります。
つまり、1年間で保険事故を2回起こすと翌年の更新で6等級下がってしまうことになるのです。
新規で加入したその年に事故を2回やってしまうと、翌年の段階で1等級になります。
こうなると、国内大手ならともかく通販系や外資系は引き受けてくれません。
なお、近年の見直しで「等級据え置き事故」(保険を使っても、等級は据え置きになる)だったものが「1等級ダウン事故」となったものも多く、ダウンする危険が高くなりました。
一方、人身傷害や弁護士費用特約のみを利用した場合などは「ノーカウント事故」とされて「事故はなかったもの」とされます。
※ 事故有割増制度について
2013年10月より、事故有割増制度の適用が始まりました。
以前は、無事故でアップしても事故でダウンしても同じ等級であれば同じ割引率が設定されていました。
しかし、ここにきてそのシステムが改定され、ダウンした人に対しては専用の割引率が適用されるようになり差別化が図られました。
その結果、ダウンした人の割引率は下がっていて、無事故アップした人よりも高い保険料を払う形になります。
ちなみにこの「事故有係数」を使う期間はダウンした等級の分だけ無事故期間が続けば元に戻ります。(ただし最長で6年)
今後は注意が必要です。
以下、等級と割引率です。
等級 | 1等級 | 2等級 | 3等級 | 4等級 | 5等級 | 6等級 | 7等級 | 8等級 | 9等級 | 10等級 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
割引率(事故無) | -64% | -28% | -12% | 2% | 13% | 19% | 30% | 40% | 43% | 45% |
割引率(事故有) | 20% | 21% | 22% | 23% | ||||||
等級 | 11等級 | 12等級 | 13等級 | 14等級 | 15等級 | 16等級 | 17等級 | 18等級 | 19等級 | 20等級 |
割引率(事故無) | 47% | 48% | 49% | 50% | 51% | 52% | 53% | 54% | 55% | 63% |
割引率(事故有) | 25% | 27% | 29% | 31% | 33% | 36% | 38% | 40% | 42% | 44% |
改定は頻繁に行われています。
これによって保険料が上がるケースもありますので、注意しましょう。
※ デメ等級引き継ぎについて
1~5等級を通常「デメリット等級(通称デメ等級)と呼んでいます。
事故を起こしてこれになってしまうと、一度解約して等級をリセットすればいいんじゃないかと思う方もいるんじゃないでしょうか?
しかしながら、そうはいきません。
デメ等級の場合は一度解約しても、13ヶ月以上経過しなければ等級が引き継がれてしまうのです。
気を付けましょう。
保険料率
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これは基本補償に絡む基準なのですが、「前年、どの車種がどのくらい保険事故を起こしたのか」というデータに基づいて算出されます。
この数字が大きければ大きいほど、事故を起こしやすいと判断され、保険料の基準が上がります。
スポーツカーや高級車は車両保険の料率が高く、小さい車ほど搭乗者保険の基準が高くなる傾向にあります。
また、一方で人気車種ほど対人対物の料率が高くなる傾向があります。
これはどうしてかといいますと、「人気車は全国で走っている台数が多いため、絶対的に事故を起こす可能性が高くなってしまう」からです。
この料率は毎年変わるので、前年に同車種に事故が多くて料率が上がってしまうと等級割引率でカバーできなくなってしまい、結果として保険料が上がるという事態が起きます。
とはいえ、この料率は全保険会社共通なので保険会社を変えてもほとんど意味がありません。
注意しましょう。