ボディタイプから車を選ぶ

 では、続いて車のボディタイプを見てみましょう。

1.セダン

 エンジンルーム、客室、トランクルームがそれぞれ独立したタイプです。
 最もオーソドックスなタイプで、かつては多くの車がこの形状でした。
 余裕のある室内と独立したトランクのおかげで静粛性や快適性に優れ、乗り心地のよさは他のボディタイプよりも上です。
 高級車は現在でも多くがこのタイプになっています。

 短所としてはトランクルームの高さがないため、あまり大きな荷物を入れられないことと、トランクの長さがある分後ろの見切りがよくないという点です。
 また、少々若い方には不人気というところもあります。

★主な代表車種★

<コンパクト>
○ カローラ(トヨタ)
○ ラティオ(日産)
○ グレイス(ホンダ)
<ミドル>
○ マークX(トヨタ)
○ スカイライン(日産)
○ アコード(ホンダ)*
○ レガシィ(スバル)
<アッパーミドル>
○ クラウン(トヨタ)
○ シーマ(日産)
○ レジェンド(ホンダ)

 

2.ハッチバック

 客室とトランクルームが独立していないもので、主にトランクルームを延長していないものを指します。
 コンパクトやスポーツタイプに多く使われるタイプで、現在でもコンパクトに多いです。
 セダンに比べるとやや静粛性が落ちるものの、全体的に軽量で走りは同クラスのセダンに勝ります。
 また、荷物の出し入れに便利で、リヤガラスからの距離を測りやすいので見切りの良さも魅力的です。

 短所はどうしても安っぽく見られてしまうこと。
 また、上級クラスには設定がないので選択肢が限られてしまうことが挙げられます。

★主な代表車種★

<軽>
○ アルト(スズキ)
○ ミニカ(三菱)
○ ミライース(ダイハツ)
<コンパクト>
○ ヴィッツ(トヨタ)
○ マーチ(日産)
○ フィット(ホンダ)
○ デミオ(マツダ)
○ ティーダ(日産)*
<ミドル>
○ オーリス(トヨタ)

 

3.ハイトワゴン

 ハッチバックタイプの中でも、全高が長いタイプです。
 現在の軽やコンパクトでは主流になっているといえるでしょう。
 高さがあるので乗降が楽なことに加え、高さのある荷物を運ぶことができます。
 座高のある人でも頭上に余裕があり、快適性も確保されているのも長所。

 短所はやや重いので同クラスの中では瞬発力に欠けることと、風の影響を受けやすいこと、そして機械式立体駐車場に入れられないことがあるという点です。

★主な代表車種★

<軽>
○ ムーヴ(ダイハツ)
○ ワゴンR(スズキ)
○ Nワゴン(ホンダ)
<コンパクト>
○ キューブ(日産)
○ フリードスパイク(ホンダ)
○ bB(トヨタ)

 

4.ステーションワゴン

 客室とトランクルームが独立してないもののうち、主にトランクルームが拡張されているものをいいます。
 かつては「ライトバン」などとも呼ばれ、営業車などが主でしたが、現在では使い勝手のよさから、人気もあります。
 客室の広さはセダンと同等、トランクルームは広いので、人も荷物も多く載せられます。

 短所としてはやはり重いことが挙げられます。
 また、現在ではやや車種が減ってしまっているために選択肢が絞られてしまっていることも短所のひとつ。

★主な代表車種★

<コンパクト>
○ カローラフィールダー(トヨタ)
○ ウイングロード(日産)
○ シャトル(ホンダ)
<ミドル>
○ レヴォーグ(スバル)
○ アコードワゴン(ホンダ)*
○ アテンザワゴン(マツダ)
<アッパーミドル>
○ クラウンエステート(トヨタ)
○ ステージア(日産)*

 

5.クーペ

 セダンと同じく独立型トランクを持つものの、車高が低くドアが少ない、客室が狭いなどの特徴を持つのがこのタイプです。
 一般的にはスポーツカーに多いタイプとなります。
 比較的軽く、ドアが2枚しかないものが多いためにボディ剛性も高め、少々無茶な使用にも耐えられます。

 短所はその狭さからくる圧迫感や見切りの悪さ、そして中古車では痛んでるものが多いというものがあります。
 また、市場価格も高く、保険も高いので絶対的なランニングコストは高めです。
多少懐具合に余裕があり、独身または夫婦のみの方向きです。

★主な代表車種★

<コンパクト>
○ シルビア(日産)*
<ミドル>
○ 86(トヨタ)
○ CR-Z(ホンダ)
○ RX-7(マツダ)*
<アッパーミドル>
○ スープラ(トヨタ)*
○ フェアレディZ(日産)
○ GT-R(日産)

 

6.コンパーチブル

 クーペタイプのうち、オープンルーフになっているものをいいます。
 解放感にあふれる点がプラスされますが、剛性が低下し、また古くなると雨漏りの危険性が高まるなど、保管に気を使うことになります。
 中古車ではもっとも状態に気を付ける必要のあるタイプのひとつです。

★主な代表車種★

<軽>
○ カプチーノ(スズキ)*
○ コペン(ダイハツ)
○ S660(ホンダ)
<コンパクト>
○ ロードスター(マツダ)
<ミドル>
○ S2000(ホンダ)*
<アッパーミドル>
○ フェアレディZロードスター(日産)

 

7.ワゴンミニバン

 客室とトランクルームが繋がっているものの中で、座席が6人以上かつ高すぎないもの(大体170㎝くらいまで)を呼びます。
 7人乗りのものが多く、大きすぎないので使い勝手、取り回しのよいものもあります。
 また比較的バリエーションが多いことも魅力的です。

 短所は多人数乗車で長距離を走るには向いてないということ。
 頭上にも幅にも余裕が少ないので、大人がフル乗車するとやや窮屈なところがあります。
 また、この場合は荷物があまり積めなくなるのもネックです。

★主な代表車種★

<コンパクト>
○ シエンタ(トヨタ)
○ フリード(ホンダ)
○ キューブキュービック(日産)*
<ミドル>
○ ウィッシュ(トヨタ)
○ ジェイド(ホンダ)
○ プレマシー(マツダ)
<アッパーミドル>
○ オデッセイ(ホンダ)
○ プレサージュ(日産)*

 

8.ワンボックス

 ミニバンカテゴリーでも、全高が高いものをいいます。
 もともとはエンジンルーム、客室、トランクルームが1つの箱の中に収まっていることが由来です。
 日本の自動車の中では最大クラスのサイズを持つカテゴリーで、7人乗りまたは8人乗りとなります。(軽も同じ形状があるが、これは4人)
 圧倒的な広さがメリットで、人数も荷物も入り、シートアレンジも豊富です。
 大人数で旅行に出かける時などには重宝します。

 短所は重いので全体的に燃費が悪いことと、大きいので駐車ポイントが限られることが挙げられます。
 ただ、現在はハイブリッド車も増えてきているので、燃費の点は改善されつつあります。

★主な代表車種★

<軽>
○ アトレーワゴン(ダイハツ)
○ エブリィワゴン(スズキ)
○ N BOX(ホンダ)
<コンパクト>
○ アトレー7(ダイハツ)*
○ デリカD2(三菱)
<ミドル>
○ セレナ(日産)
○ ノア(トヨタ)
○ ステップワゴン(ホンダ)
<アッパーミドル>
○ アルファード(トヨタ)
○ エルグランド(日産)
○ デリカD5(三菱)

 

9.SUV

 かつてはクロスカントリー4WDタイプと呼ばれたもので、アウトドアに適した使い方が可能です。
 山道や林道、雪道を走ることに優れていますが、街乗りでも使われる機会も増えています。
 比較的悪路に強いので、キャンプやスキーなどに行く際には便利です。
 また、シートや内装も撥水・防汚加工がされているものもあるなど、文字通り遊びに行くための車です。

 短所はやや重いので燃費が悪いこと、中古車市場では価格が高めなこと、一方で探す際はダメージに気を使わないと「はずれ」を引く危険性があることが挙げられます。

★主な代表車種★

<軽>
○ パジェロミニ(三菱)*
○ ジムニー(スズキ)
<コンパクト>
○ ジューク(日産)
○ ヴェゼル(ホンダ)
<ミドル>
○ エクストレイル(日産)
○ CR-V(ホンダ)
○ RAV4(トヨタ)
<アッパーミドル>
○ パジェロ(三菱)
○ ランドクルーザー(トヨタ)

 参考としては以上になります。
 用語集も併せてご覧ください。