2度あることは3度あった(その3)

 この話は前回で終わりにしようと思ったのですが、本日のお昼に「スズキまで燃費データの測定を法令外のルールで行っていた」というニュースが飛び込んできたので、ちょっと続きます。
 何と言いますか、呆れました。
 メーカーのモラルもそうですが、監督官庁である国交省の甘さにもです。
 問題が起きなければチェックを呼び掛けていないということもありますし、それ以上に本当に届出がされたときに確認していたのかという点まで疑問です。

 前々回でもお話ししましたが、ここまで燃費競争になってしまったのはひとえにエコカー減税が理由です。
 燃費基準さえクリアできれば税金が安くなり、維持費も安くなります。
 それを何とか口実に財布の紐を握る奥さんを説得してもらおうと、メーカーは考えていました。

 ですが、このようなことが起きてしまったら逆効果です。
 奥さんだけでなく、本人もメーカーへの信頼をなくしてしまいます。

 もはや燃費神話は崩れたといっても過言ではないと思います。
 本当の意味での「エコ」へ、業界全体で舵を切らなければなりません。
 買うより直して長く使う方が断然「エコ」なのです。
 経年による重課税を廃止し、逆に安くするなどの方策も必要になるでしょう。
 そうすれば、中古車でもまた需要が増え、二の足を踏んでいた旧車好きや若者が自動車購入に踏み出せるかもしれません。
 本体だけではなく、修理の際に性能のいい部品に交換することでエコを推進する方法もいいでしょう。
 ただの数字にとらわれない「エコ」が自動車業界にも求められているのではないでしょうか。
 これは、国の重要産業だからという理由で優遇され続けてきた自動車業界への警鐘ではないかと考えています。

 今後を考える上で、自動車業界の方々には真剣に検討していただきたいと思います。